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雑賀 新太郎

Interview
ミラーレスカメラの進化を担い、
動画撮影時の
電子手ブレ補正に挑む。
雑賀 新太郎
Shintaro Saika
映像事業部 開発統括部 第二開発部 第一開発課
2018年入社
基幹理工学研究科情報理工・情報通信専攻修了
現在の仕事
電子手ブレ補正の開発
Profile
Shintaro Saika
入社動機
大学院では画像処理・動画に関する分野を専攻していました。ニコンのインターンシップに参加し、社員の方の温かさや参加している学生のレベルの高さを感じて入社を決めました。
異動歴 ※名称は当時のものです
2018年4月:映像事業部 開発統括部 第二開発部 第一開発課
One Day
08:00 出社、メールとTeamsを確認
09:00 仕様書の作成、アルゴリズムの実装
12:00 昼食
13:00 実写確認、ファームウェアを実機で確認
15:00 課内定例ミーティング、開発進捗状況報告
17:00 マネジメントしているチームの定例ミーティング
19:00 退社


電子手ブレ補正に最適な
ソフトウェアの開発に取り組む。
担当されている電子手ブレ補正の開発について教えてください。
一般的に手ブレは、撮影時にカメラ本体が動いたことが原因でぼやけて写ってしまう状態を指します。ニコンをはじめカメラメーカーは、この手ブレを補正する機能を備えたデジタルカメラの開発に取り組んできました。手ブレ補正は、ジャイロセンサーにより撮影時の振動を感知し、レンズやイメージセンサー(撮像素子)の位置を調整することで、手ブレの影響を抑えるという仕組みです。この機能は多くのデジタルカメラに搭載されていますが、私が取り組んでいる「電子手ブレ補正」は、こうした光学式の補正とは異なるものです。電子手ブレ補正は動画撮影時に有効な機能で、動画内のフレーム間の手ブレを検出し、コンピュータによって電子的に補正します。
動画の電子手ブレ補正とはどのような仕組みなのですか。
光学式手ブレ補正では、例えばイメージセンサーの位置を調整して手ブレを補正しますが、これは主に静止画に適用されています。動画の場合、イメージセンサーを動かすだけではフレーム間のブレを補正することはできません。そこで電子手ブレ補正では、画角を狭くして画面を動かすことで、フレーム間の手ブレを補正し動画としての見栄えを向上させます。この電子手ブレ補正のアルゴリズムを開発するのが私の役割です。新規アルゴリズムの考案から、製品仕様の策定、実装・製品評価や不具合対応まで、電子手ブレ補正に関するほとんどの業務を担当しています。
現在、電子手ブレ補正を実装したカメラは、すでに市場に出ているのですね。
はい。今のニコンのフラッグシップともいえるミラーレスカメラ「Z 9」では、高い手ブレ補正効果を実現し、動画としての見栄えを向上させました。特に、広角レンズで見られる周辺部のゆがみも軽減できるようになりました。しかし課題は少なくありません。これまでの開発で、静止した状態や歩きながらでの手ブレ補正は実現しつつありますが、さらに大きな動きで発生する手ブレも補正できるようにしたいと考えています。試行錯誤しつつ、より高いレベルの電子手ブレ補正を実現したいと考えています。

自分が携わったカメラが、
お客様の手に届くやりがい。
どのようなところにやりがいを感じていますか。
自分が検討した仕様や、自分が実装したファームウェア(本体内部の装置や回路を制御する機能を持ったソフトウェア)が、実際にカメラに搭載されて、お客様に手にとっていただけることが一番のやりがいと感じています。また、自分が元々カメラを趣味としていることもあり、試作品や他社製品を含めて様々なカメラに実際に触れられることは、やりがいの一つになっています。具体的にやりがいを感じた出来事として、2022年にアメリカで行われた世界的なスポーツイベントのスタッフとして出張したことが挙げられます。第一線で活躍するフォトグラファーが実際に撮影している雰囲気を肌で感じ、ニコンのカメラが活躍していることを改めて実感できたことで、非常に有意義な経験だったと感じています。

品質に徹底して
こだわっていきたい。
印象に残っているエピソードを教えてください。
発売直前に、品質保証部門から動画の手ブレ補正について不具合を指摘されたことがあります。歩きながらの動画撮影の手ブレ補正に問題があり、以前の機種より補正効果が悪くなっているというものでした。その原因を解析した結果、新規アルゴリズム採用により、意図しない特性が発生していることが判明。試行錯誤して対策を追加したことで、当初想定していた補正効果を実現したときは達成感がありました。常に大切にしているのはこだわりを持つことです。今後も品質に徹底してこだわって開発に取り組んでいきたいと思っています。近い将来にリリースする予定の新機種では、電子手ブレ補正効果をさらにレベルアップし、より使ってもらえるシーンを増やせればと思っています。

私の2030年のありたい姿
誰からも信頼されるような人物になっていたいと思います。この人なら安心して仕事を任さられると思ってもらえるような人物に成長することを目指したいです。実際の仕事面では、電子手ブレ補正を追究していくと同時に、カメラの技術の世界に広く携わりたいと考えています。現場の開発の仕事も非常に楽しく、魅力を感じていますが、将来はカメラの事業戦略や技術戦略など、上流工程の業務にも取り組んでみたいと思っています。
オフの過ごし方
HOLIDAY

愛機のカメラはもちろんニコンのミラーレスカメラで、主に風景を撮影しています。カメラ以外のオフの過ごし方は、小学校から続けているサッカーです。社会人サッカーチームに所属し、東京都のリーグ戦に毎年参加しています。現在はチームのキャプテンを務めています。週に一度の練習には力が入ります。
※社員の所属やインタビュー内容は取材当時のものです