Interview

FPD露光装置の
製造現場と向き合い、
お客様の期待に応える。

Takuya Mukai

FPD装置事業部 製造部 生産企画課
2017年入社
システムデザイン研究科システムデザイン専攻修了

現在の仕事

FPD露光装置の生産管理

Profile

Takuya Mukai

入社動機

学生時代は経営工学 IE(Industry Engineering)を専攻していました。ニコンには経営工学系の採用枠があったこと、さらに高い技術力を有してグローバルに展開している点が決め手です。

異動歴 ※名称は当時のものです

2017年5月:FPD装置事業部 製造部 生産企画課

One Day

08:30 出社、メールチェック、一日の予定やメンバーの抱える案件確認
09:00 調達部門・製造現場へ部品手配・製造指示
10:00 営業部門と納期の打ち合わせ
10:30 資料作成
12:00 昼食
13:00 生産上のトラブル対応を部内メンバーと協議
15:00 生産能力やお客様の要求を踏まえ生産計画立案
16:00 生産協力会社へ生産計画を展開
17:30 退社

お客様と製造現場を調整し、
最適な生産計画を。

最初に、担当されているFPD 露光装置について教えてください。

FPDとはFlat Panel Displayの略で、薄型で平坦な画面を持ったディスプレイの総称です。液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどが代表的なFPDは、スマートフォンやタブレット型端末、家庭用の薄型テレビ、街頭のデジタルサイネージなど、生活のあらゆる場面で目にするようになりました。このFPDを生産する際に、最も重要な装置の一つが、ニコンが開発・製造しているFPD露光装置です。FPDの画素は赤・緑・青の3色で構成され、それぞれの色の光を通すためのスイッチ機能を持った薄膜トランジスタ(TFT)というものが付いています。この微細なTFT回路パターンを、レンズを通してガラスプレートに露光し、ガラスプレート全体に回路を形成していくのがFPD露光装置です。FPDは年々薄型化・大型化が進み、より美しく、高精度の映像が楽しめるようになってきました。ニコンはFPDの進化に大きく貢献しています。このFPD露光装置の生産管理が、私の仕事です。

生産管理とは具体的にどのような業務なのでしょうか。

現在は主に、生産計画の立案業務を担当しています。お客様の需要と社内の供給能力を把握して、営業サイドと製造現場との調整を行い、最終的にお客様が要求する納期までに装置を届けることをミッションとしています。営業サイドはお客様に近いポジションですので、製造側に対して、納期をはじめ、品質や価格など様々な要望を伝えてきます。それらのニーズに、いかにして応えていくか。製造現場というのは生き物であり突発的なトラブルも発生しますし、常に必要なリソースを確保できるとは限りません。生産管理は、製造現場の現状とお客様のニーズをすり合わせて最適な着地点を見出していく業務です。お客様のニーズや期待に応えるためには、全体感を持ち、かつ緻密な生産計画を立てることが不可欠ですし、計画通り装置を完成させられるように進捗管理を行うことも求められます。これら一連の業務のなかで大切なのは、コミュニケーション。製造現場のメンバー、営業サイドとの密なコミュニケーションが、生産を円滑に進捗させるカギを握っていると思っています。

FPDの進化と並走して、
製造の現場を変えていく。

どのようなところにやりがいを感じますか。

FPD露光装置というのはオーダーメイドの製品です。大きさは2階建ての家ほどで、完成までは部品に使用する材料の仕込みも含めると年単位の長い時間を要します。生産自体が一つのプロジェクトといっても過言ではありません。さらに、FPDは年々進化を遂げ、製品も移り変わっていきます。それに応じてFPD露光装置の生産体制を見直す必要も発生します。メインで生産する機種が変わるときには、それぞれの機種の大きさや求められる精度も異なってきますから、使用する設備など必要とするリソースも変わってきます。製品のリードタイム上、長い時間をかけて、事前に現状の確認と需要とのギャップを把握して、必要な検討を進めねばなりません。お客様のニーズに応えるために、製造現場のメンバーと打ち合わせを重ね、課題を一つひとつクリアしていく過程は、難しいパズルを解いていくようなものですが、ニーズに応えた実感を得られたときに大きなやりがいを感じます。

生産管理の
プロであり続ける。

印象に残っているエピソードを教えてください。

帳票作成作業の見直しの取り組みは、強く印象に残っています。FPD露光装置は大きな装置ですが、単位の小さなユニットで構成されており、生産もユニットごとに担当が分かれています。これまではそれぞれの担当が多くの帳票を作成して管理していたため、その作成・管理は無駄が多く、効率の悪い作業だったことは否めない事実でした。その見直しを図ったのです。私が着手したのは、それまでバラバラだった帳票を統一し、生産システムの運用の見直しをすることで、今までのやり方を大きく変えるものでした。特に生産システムの運用見直しは、効率性向上をもたらすと確信していましたが、関わる人が多岐にわたるため、密にコミュニケーションをとって理解・納得を求めて協力してもらい、改善することができました。全体として生産性の向上に寄与できたと感じています。

私の2030年のありたい姿

お客様であるFPDメーカーのニーズは多様化・高度化しています。生産計画や部品調達、進捗管理、納期に至るまで、それぞれのお客様のニーズに合致した装置を納入できる生産管理のプロでありたいと思っています。FPD露光装置の製造は、まだまだ改善点が多い世界です。製造に関わる人の数も部品の数も多く、人の経験に頼る属人的な部分が少なくありません。今後、改善を重ねていくなかで、新しい生産方式の確立も必要になってくると思います。多様なニーズに柔軟に対応できる生産体制を作っていきたいと考えています。

HOLIDAY

市民農園を借りて、野菜を育てています。トマト、ナス、キュウリ、エダマメ、トウモロコシなど。コロナ禍になってから、新しい趣味として始めました。ワインをはじめお酒全般が好きですし、料理も好きなので、野菜とお酒のマリアージュを楽しんでいます。手間ひまかけて自分で育てた野菜は、やっぱり美味しいですね。