人的資本経営

基本的な考え方

企業理念の実現の担い手となるのは「ニコングループで働く多様な人材」です。ニコンはこれまでも、様々な能力や価値観、経験を持つ人材が集まり、その才能を活かし合うことで、創業100年を超える実績と世界に誇る高いものづくり力を築き上げてきました。

さらなるグローバル化や価値観の多様化が進む中で、ニコンと、そして従業員一人ひとりが社会やお客様から求められる存在になるためには、会社と従業員が共に成長していく関係でなければなりません。
そのために、会社の目指す方向性や組織の目標を明確に示し、これに連動した人材戦略を実行することで、多様な従業員がその能力を最大限に発揮し、自身とニコンの成長を実感できる環境や活躍の機会を提供していきます。従業員に求められるのは、その機会を逃すことなく、主体的・継続的にスキルを磨き続ける姿勢です。ニコンは、成長に向けて挑戦し、努力する従業員を支援するとともに、成果を出し、組織に貢献した従業員には、その活躍に公正かつ公平に報いていきます。
また、変化に対応し、多様化する社会やお客様の課題に応えるためには、多様な知識や経験、価値観、専門性などを活かす必要があります。共に働くメンバーの個性や能力を認め合い、活かし合うことのできる職場環境や企業文化の醸成に向け、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」(DEI)を推進していきます。
このことが、社会やお客様に対するニコンの価値提供力を高め、従業員のやりがいやエンゲージメントを高めることに繋がり、チームのために主体的に考え、行動する、自律した「個」の形成へと繋がる好循環を生み出します。

ニコンは、多様な従業員一人ひとりと共に成長し、企業理念である「信頼と創造」の実現と、持続可能な社会に貢献し続ける企業を目指します。

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人材戦略

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中期経営計画の軸となる方針は、ソリューション提供の強化による「主要事業の安定化」と「戦略事業の収益拡大」です。また、グローバルに存在するお客様の欲しいモノやコトの「本質」を理解し、完成品・コンポーネント・サービスをお客様にとって最適な形で提供していくことは、すべての事業に共通する戦略であり、ニコンのコア技術と他社とのオープンイノベーションを組み合わせるなど、社内外のシナジー強化にも取り組みながらビジネスモデルの変革を進めます。

こうした経営戦略の担い手となる人材には、次のような要素が求められます。

  • 環境変化に柔軟に対応し、社会・顧客起点の発想や価値提供ができること
  • 組織やチームの目標達成のために自律的に考え、行動できること
  • 国・地域・事業を超えて多様な人材や組織と協働できること
  • 新たな価値観と既存の価値観を掛け合わせ、シナジー創出ができること

特に、成長領域においては、顧客開発とソリューションビジネスの強化をリードする人材の獲得が急務となっています。また、既存領域においては、ニコンの強みである「ものづくり」を支える人材が今後不足する見込みです。
このように、ありたい姿の実現に向けた人材の質的転換と量的確保が求められる中、人材の流動化や獲得競争がグローバルに激しさを増しており、経営戦略を実践する人材の確保への危機意識が高まっています。
こうした経営戦略上の要請や現状認識を踏まえ、ニコンでは、人材の「獲得」「育成」「活躍」の3つを人的資本経営の考え方に基づく人材戦略の柱に据え、それぞれ以下の方針のもとで各施策を展開しています。
なお、経営戦略と人材戦略を一体のものとして推進を図るため、求められる人材やスキルの具体的な定義や各施策の検討は、社長執行役員以下のトップマネジメントが中心となり、人事部門と連携のうえ行っています。

人材戦略の三つの柱

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人材戦略を支える基盤となる文化・環境