ロボットをはじめとする産業用機器の精密制御に貢献

産業用ロボットや協働ロボット、医療ロボットといった装置の普及が進み、モーションコントロールの中核を担うサーボモータやエンコーダの小型化と高信頼性がますます求められています。ニコンのアブソリュートエンコーダは、高水準の光学技術により高分解能の位置検出とエンコーダの小型化を両立。装置の動作精度の向上はもちろん、省スペースかつ自由度の高い配置や、軽量化が求められるロボティクス分野での活用を可能にします。

ロボティクス・産業用機器分野における主な課題

  • 装置全体の小型化を図りたい(スペース削減・配置自由度の向上)
  • サーボモータの位置検出の信頼性を高めたい
  • 装置の突発的な停止時間を短縮したい
  • メンテナンスの手間を軽減したい

解決へのアプローチ

小型化と信頼性を両立

ニコンのアブソリュートエンコーダは、カメラや露光装置を通じて培った独自の光学技術により、エンコーダ本体の小型化と高精度な位置検出を両立しています。また、ニコンのアブソリュートエンコーダの生産プロセスは完全自動化されており、これにより高品質で信頼性の高い製品の安定供給を可能にしています。さらに、予知保全機能やバッテリレスといった新機能により、装置の安定稼働・メンテナンスの手間軽減に貢献します。

アプローチ1

超精密制御

反射光によって得られた電気信号から位置を検出すると同時に、磁気センサーでもディスクが何回転したかをカウントします。これにより、回転変位を絶対値として検出できるため、システムの起動時や電源再投入時にも正確に位置決めが可能です。絶対値で位置情報を検出できることにより、装置の原点復帰作業が不要となります。

さらに、光学式と磁気式の両方のセンサーを使用した機種では、異なる検出原理を組み合わせることで、システム起動時の位置検出の信頼性を向上させています。絶対値の誤検出が許されない用途にも安心して使用できます。

アプローチ2

小型化・薄型化

従来の高分解能エンコーダは大型になる傾向があり、装置の小型化が求められる精密機器やロボティクスの現場において課題となっていました。ニコンのアブソリュートエンコーダは、独自の光学技術により実現した小型・薄型設計が特長で、省スペースでより自由度の高い装置の配置やモータ設計が可能です。

アプローチ3

メンテナンスフリー

多回転バッテリレスアブソリュートエンコーダ「MAR-M700MFA」は、全固体電池をエンコーダ内部に組み込むことで外部バッテリレスを実現。バッテリ交換の手間が不要になります。また、ニコンのアブソリュートエンコーダは、独自の通信プロトコル「Nikon A-format®」を採用。「MAR-M700Aシリーズ」では、予知保全機能などの新機能を加えたことにより、互換性を保ちながら進化をとげています。

ニコンのアブソリュートエンコーダの特長

  • 特長 1

    超精密制御と小型・薄型化の両立

  • ニコンのアブソリュートエンコーダは、高精度を保ちながら小型化を実現した画期的な設計が特長です。絶対位置を1トラックで検出できる「M系列」パターンを採用することで、センサーの小型化に成功しました。さらに、受光素子とLEDを同一面に配置した「反射型」構造により、従来の「透過型」に比べて約1/2の薄さを実現しています。

    加えて、ニコンのアブソリュートエンコーダには、中空構造エンコーダラインナップもあります。エンコーダを中空構造にすることで、ケーブル配線やエアー配管をエンコーダの中空部分を利用して通すこともでき、省スペース化に貢献するとともにモータやロボットの設計自由度も向上させています。

    ニコンの「M系列」は1トラックで絶対位置を把握できます
    「反射型」は「透過型」の約1/2の薄さ
  • 特長 2

    予知保全機能で突然停止の回避に貢献

  • MAR-M700Aシリーズは予知保全にも対応

    ニコンのアブソリュートエンコーダ(MAR-M700Aシリーズ)は、2つの受発光素子を搭載しており、万が一故障した際、もう一方の素子が自動的に動作するため、装置の突然停止リスクを大幅に低減。また、さまざまなアラーム機能を備えており、ニコン独自の通信プロトコル「Nikon A-format®」を介して故障の原因を迅速に特定できます。

    また、予知保全アラームが発生した場合には、別系統への自動切り替えが可能。ロボットの進化や信頼性向上に貢献する「Nikon A-format®」は、国内の多くのロボットメーカーが採用しており、既存のロボットシステムへの導入もスムーズです。

  • 特長 3

    外部バッテリレスでメンテナンス不要

  • 配線の簡素化とメンテナンスフリーを実現

    エンコーダ内部にバッテリを組み込むことで、配線の簡素化とメンテナンスフリーを実現。一般的な外部バッテリレスエンコーダが抱える大型化の課題を克服し、従来のバッテリバックアップタイプと比較しても同等以下のサイズを維持しているのが大きな特長です。

    これにより装置の設計変更をせずに、外部バッテリレスが実現可能となり、また、この独自設計により、産業用小型ロボット、サービスロボットやマウンタなど、多様な用途で使用される小型ACサーボモータに最適なエンコーダとして高く評価されています。

    共創事例

  • 共創事例

    【&Nikon】川崎重工とニコンの共創で実現する、ロボティクスの未来

  • 川崎重工業株式会社 様

    「緻密さ、そして精度の高さ」という点において認められ、現在川崎重工で採用されているニコンのエンコーダ。ロボットメーカーから見たニコンのエンコーダならではの価値とは。

    これからの人、ロボット、
    そして社会が必要とする技術として

    ニコンのエンコーダ技術は、従来の産業用ロボットにとどまらず、人と同じ空間で安全に作業できる協働ロボットの関節にも採用され、高い安全性と精度が求められる協働ロボットの動作をサポートしています。このように、製造業やサービス業など多岐にわたる分野での活用が進んでおり、これからの社会においてますます必要とされる技術として大きな期待が寄せられています。

    協働ロボットをはじめ、幅広い分野での活用をご検討中の方、または詳しい情報をご希望の方は、ぜひお問い合わせください。

    導入の流れ

  • Step 1

    導入をご希望の方はお問い合わせください

  • Step 2

    設計お打ち合わせ

  • Step 3

    スペックイン

  • Step 4

    試作機製作

  • Step 5

    信頼性評価

  • Step 6

    量産試作

  • Step 7

    正式導入

  • 関連製品

    ロボットアームなどの回転変位を絶対値で検出することができるセンサー。産業用ロボットなどの安定稼働やモーション制御の高精度化に貢献します。

    お問い合わせ

    株式会社ニコン
    インダストリアルソリューションズ事業部

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    下記のお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。