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一般社団法人日本電子回路工業会(JPCA)が認めた
技術の独創性と産業的価値

2026年6月10日、株式会社ニコンが開発を進める「PAP(Photo Assist Patterning)光応答性表面処理材料を用いた難めっき基板への回路形成技術」が、一般社団法人日本電子回路工業会(JPCA)主催の「JPCA Show 2026(電子機器トータルソリューション展)」において、「JPCA賞(アワード)」を受賞しました。

この賞は2005年より実施されており、今回で第22回を迎えます。審査は、学術界・電子回路業界・専門誌編集者などの有識者が、「独創性」「産業界での発展性・将来性」「信頼性」「時世の適合性」の4つの基準で厳正に行います。単なる技術的新規性にとどまらず、産業界全体への貢献度が総合的に問われる権威ある表彰制度であり、ニコンのPAP技術は「JPCA賞」を獲得したことで、第三者機関による客観的な評価を得た形となります。

PAP技術が実現すること:平滑性と密着性の両立

難めっき基板における従来技術の限界を超える

ガラス基板や有機基板は、次世代パッケージ(PKG)や高密度配線基板の主要素材として注目を集めています。しかしその一方で、これらの素材は表面特性の観点から無電解めっきの析出が困難であり、高い密着性と平滑性を同時に確保することは従来技術では大きな課題でした。

PAP技術は、「材料 × 光反応 × めっきプロセス」を組み合わせた独自のアプローチにより、この課題を解決します。独自に設計した光応答性表面処理材料と独自プロセスを組み合わせることで、難めっき基板においても簡便な光反応性表面処理を介した高密着・高平滑な銅(Cu)めっきを可能にする技術(材料・工程)です。

画像:光応答性表面処理材料と独自プロセスを組み合わせることで、難めっき基板においても簡便な光反応性表面処理を介した高密着・高平滑な銅(Cu)めっきを可能にするPAP技術を表したフロー図

基板への負担を抑えた量産適性

現行の無電解めっき加工技術と比較して、PAP技術は工程が簡便であり基板へのダメージが少ない点も大きな特長です。基板の品質を損なうことなく導体形成を行えるため、量産プロセスへの適用においても高い実現可能性が期待されています。

PAP技術に関心をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。

受賞の背景:有識者が高く評価した理由

JPCA賞の審査は、学術界・電子回路業界・専門誌編集者などの有識者が担い、以下の4つの基準に基づいて総合的に評価されます。
 

  • 独創性
  • 産業界での発展性・将来性
  • 信頼性
  • 時世の適合性

 

ニコンのPAP技術は、これらの審査基準に基づく総合評価により、受賞に至りました。

公式受賞理由に明記された技術的優位性

JPCA賞の公式受賞理由には、「光応答性表面処理材料を独自に設計・開発し、従来困難であったガラスや有機基板上での簡便な無電解めっき析出技術を提案した」と明記されています。さらに、「現行無電解めっき加工技術と比べ基板へのダメージが少なく高い量産性が期待できる」という点も、産業界の実用ニーズに応える技術として高く評価された根拠として挙げられています。
 

適用可能素材と技術の具体的な展開

多様な難めっき基板への対応

画像:(仮)

本技術の開発は、株式会社ニコン 精機事業本部 次世代事業開発統括部(担当:川上雄介)が主導しています。PAP技術が適用可能な素材・基板は以下の通りです。

画像:(仮) フレキシブルフィルム
高密度積層配線基板
TGV(ガラス基板)
有機絶縁膜

これらはいずれも次世代パッケージ(PKG)の主要素材であり、電子機器の高密度化・高性能化を支える上で不可欠な材料群です。従来の無電解めっき技術では基板へのダメージが課題となっていたこれらの素材に対し、PAP技術は基板負担を抑制しながら導体形成を実現します。ガラス基板・有機基板、積層絶縁膜のいずれにも適用可能であることが、本技術の汎用性の高さを示しています。

学術基礎分野での評価

ニコンのPAP技術は、新規材料の開発や有機薄膜の基礎解析から、配線プロセスの開発、産業用途への提案にいたるまで、段階的に研究を進め、様々な学会活動を通じて専門学術分野においても評価されています。

2018年:日本化学会 第98春季年会 優秀講演賞(産業)

概要:合成物の有機薄膜に関する分析・評価手法の確立
合成材料の分子レベルにおける挙動を捉える分析・評価手法を追求。化学の学術基礎分野において、極薄膜の性質を正確に評価する基盤を構築しました。

2024年:一般社団法人エレクトロニクス実装学会 第34回MESベストペーパー賞

概要:PAP技術を配線めっき工程に適用する革新的手法の開発
蓄積した基礎研究の知見をもとに、光を用いた表面改質技術を応用。従来の課題を解決する、実用的な「配線めっき工程」への適用手法を実証しました。

今後もこれまでの成果を基盤とし、産業界へのさらなる貢献を目指して、技術の高度化と実用化に向けた取り組みを推進していく方針です。

業界全体が期待する早期実用化――今後の技術開発の方向性

現在、PAP技術は研究開発段階にあります。JPCA賞の公式受賞理由においても、「早期の実用化・製品化に向けた評価、密着メカニズムの解明および長期信頼性評価の結果に期待したい」と明記されており、有識者からも今後の進展に対する強い期待が寄せられています。
ニコンは今後、以下の取り組みを通じて実用化・製品化を加速させる方針です。
 

  • 密着メカニズムのさらなる解明:光応答性表面処理と基板素材との界面における接合原理の詳細な把握
  • 長期信頼性評価の実施:量産環境を想定した条件下での耐久性・安定性の検証

第三者機関の権威ある評価を獲得したPAP技術の実用化へ

ニコンのPAP技術は、独自に設計した光応答性表面処理材料と「材料 × 光反応 × めっきプロセス」の組み合わせにより、ガラス・有機基板上での高密着・高平滑な銅(Cu)めっきを実現します。その独創性・将来性・信頼性・時世の適合性が学術界・産業界・専門誌編集者などの有識者に認められ、2005年より続く電子回路業界の権威ある表彰制度「JPCA賞」において受賞しました。

密着メカニズムの解明と長期信頼性評価を経て、次世代電子回路産業における新たなめっきプロセスの標準的な選択肢として、実用化の段階へと着実に歩みを進めることが期待されています。

  • ページ内の記載は2026年8月時点の情報です。

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