半導体は誕生以来、急速に微細化し、それに伴って多くの機能を搭載できるようになりました。しかし、微細化を進める中で、「光の回折限界」と呼ばれる理論的な制約により、一定以上の微細化は難しいとされていました。この限界を打ち破ったのが「液浸露光技術」です。
この技術では、従来の空気(屈折率1.00)の代わりに、屈折率が高い純水(1.44)をレンズとシリコンウェハの間に満たすことで光の波長を短縮し、解像度を飛躍的に高めます。これにより、さらに微細な回路パターンの形成が可能となり、高性能なCPUやメモリーなどの半導体の製造が実現しました。この液浸露光技術は、半導体のさらなる小型化と高機能化を推進する重要な要素となっています。