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ニコン「Rayfact」で学ぶ、失敗しないための3つのステップ

高精細検査の精度を左右するレンズ選定の考え方

最適なレンズを選定するための3ステップ

製造ラインの高速・高精度化が進む中、
マシンビジョンによる自動外観検査の重要性はますます高まっています。
ニコンのRayfactシリーズは、カメラのセンサ仕様や検査対象物に応じて
マシンビジョンの性能を最大限に発揮できるよう設計された産業用カメラレンズです。
検査対象物に合わせて最適なレンズを選ぶことで、性能を最大限に発揮できます。
本記事ではレンズ選定の基本ステップを順番に解説します。

なぜレンズ選定が重要なのか

検査精度を支えるのは、レンズの適合性

製造ラインの検査工程では、レンズが捉える画像のわずかな誤差が、検査結果に大きな影響を与えます。検査の目的や対象物、使用するカメラに適したレンズを使用することで必要な情報を正確に撮像することができます。検査精度向上には適切なレンズ選定を行うことが重要です。

一般的な選定ステップは以下の3段階です。

画像:産業用レンズの選定ステップ。基本仕様の確認として、ステップ1:イメージサークルを確認する→ステップ2:倍率を確認する(視野と画素分解能)→詳細性能の確認として、ステップ3:詳細性能を検討する

ステップ1:イメージサークルを確認する

イメージサークルとは何か?

イメージサークルとは、レンズが光学性能を確保できる円形の領域を指します。カメラで対象物全体を正しく撮影するためには、このイメージサークルの領域内に、カメラのセンサ(矩形または直線形)が完全に収まっていなければなりません。もし、センサがイメージサークルの外に出てしまうと、画像の周辺が暗くなったり、写らなくなったりする「けられ」と呼ばれる現象が発生し、正確な検査が行えなくなります。

画像:検査対象物(基板)からレンズを通り、カメラのセンサへ像が結ばれるイメージ。レンズの結像範囲である円形のイメージサークル内に、四角いカメラのセンサが収まっている様子を示しています。

ラインセンサとエリアセンサの違い

産業用カメラには、主に「ラインセンサ」と「エリアセンサ」の2種類があり、Rayfactはそれぞれに対応するラインナップを揃えています。

画像:ラインセンサとエリアセンサの比較図。ラインセンサは1列の形状で、フィルムなどの連続高速撮影に適しています。エリアセンサは面全体の形状で、半導体基板など一度に広範囲を撮影する用途に適しています。

ラインセンサとエリアセンサでは、イメージサークルの計算方法が異なります。

イメージサークルの計算方法:ラインセンサ

ラインセンサで基準になるのは「センサの幅」です。

【計算例】

画像:ラインセンサカメラの必要イメージサークル計算例。条件:1画素サイズ5マイクロメートル、画素数16,384(16k)。計算式:5マイクロメートル × 16,384 = 81,920マイクロメートル。必要なイメージサークルは約82mm以上となります。

イメージサークルの計算方法:エリアセンサ

エリアセンサで基準になるのは「センサの対角線の長さ」です。対角線の長さは、次の式を利用して求められます。

(対角線の長さ)= (横の長さ)+ (縦の長さ)2

【計算例】

画像:エリアセンサカメラの必要イメージサークル計算例。条件:1画素サイズ3.76マイクロメートル、画素数14,192 × 10,640(150MP)。対角線の計算により、必要なイメージサークルは約66.6mm以上となります。

Rayfactはイメージサークルが大きく、大型のラインセンサ/エリアセンサにも対応。
1つのレンズで広範囲の検査が可能になり、検査効率向上に貢献します。

Rayfactイメージサークル82mm以上のレンズ例

製品カタログのご希望、製品仕様に関するお問い合わせ、デモのご相談、使用説明書のダウンロードなど、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

ステップ2:倍率(視野と画素分解能)を確認する

レンズの倍率を変更すると、視野と画素分解能も変化します。
倍率が高くなると視野は狭く、画素分解能は高くなり微細な対象物を検査できます。
このように、視野と画素分解能は関連しているため、並行して確認する必要があります。

検査に必要な「視野」を確認する

検査対象物に対して、設置のスペースの制約の中で、どれくらいの「視野」で検査する必要があるかを確認します。

視野(FOV):カメラとレンズを組み合わせて撮影できる範囲

レンズの倍率が変わると、同じ設置条件でも視野が変わります。例えば、広い視野を確保したい場合は低倍率のレンズが必要になります。

画像:産業用検査装置の構成イメージ。ベルトコンベア上を流れる検査対象物(基板)の上部に産業用カメラレンズとカメラが設置され、一定の視野と検出したい欠陥サイズを捉えている様子。

欠陥を検出するために「画素分解能」を確認する

検査したい欠陥サイズに対して必要な「画素分解能」を確認します。

画素分解能:視野に対して使用する画素サイズを示す値

どれだけ微細な部分まで撮影できるかを示し、値が小さいほどより微細な欠陥を検出でき、画素分解能が高いことを意味します。検出したい欠陥やキズを確実に捉えるために重要な指標です。

画像:画素分解能による映り方の比較。画素分解能が低いと『N』の文字が粗く映り、画素分解能が高いと文字の細かい部分までしっかりと滑らかに映る様子を示した図。

光学倍率は「視野」と「画素分解能」の両方に影響します。

  • 倍率を上げる → 視野は狭くなるが、画素分解能は上がる(より細かく見える)
  • 倍率を下げる → 視野は広くなるが、画素分解能は下がる(より粗くなる)

液晶画面を撮影した際の比較

画像:倍率・視野・画素分解能の関係をまとめた表。倍率が低い(0.5倍)と視野は広く画素分解能は粗くなり、倍率が高い(2倍)と視野は狭く画素分解能は微細(高精細)になる関係を液晶画面の拡大画像付きで説明しています。

このように「広い範囲を一度に見たい(低倍率)」という要求と、「微細な欠陥を見たい(高倍率・高分解能)」という要求は、多くの場合トレードオフの関係になります。

必要な倍率を確認する

以下は、欠陥サイズから画素分解能を求めることを優先した場合の例です。
設置スペースを確認しながら行いましょう。

  • 1

    画素分解能を求める

  • (1)検出したい欠陥サイズを決める

    (2)3 画素程度※1 を用いて撮影するため必要な画素分解能を計算する

    ※1 一般的に2~5 画素が目安とされますが、検査目的や用途によって最適な画素数が異なる場合があります。

    検出したい欠陥サイズ ÷ 2〜5画素 = 必要な画素分解能

    【計算例】

    画像:151MPエリアセンサカメラで3マイクロメートルのキズを検出する場合に必要な画素分解能の計算例。検出したい欠陥サイズ3マイクロメートルに対し、3画素で捉える場合の計算式:3マイクロメートル ÷ 3画素 = 1(マイクロメートル毎画素)。
  • 2

    上記の画素分解能を実現するレンズ倍率を求める

  • (3)使用するカメラの1画素サイズを確認する

    (4)求めた画素分解能にするため、必要なレンズの倍率を計算する

    1画素サイズ ÷ 必要な画素分解能 = 倍率

    【計算例】

    画像:マイクロメートル毎画素を実現するために必要なレンズ倍率の計算例。条件:151MPエリアセンサカメラの1画素サイズ3.76マイクロメートル。計算式:3.76マイクロメートル ÷ 1(マイクロメートル毎画素) = 3.76倍。必要なレンズ倍率は3.76倍となります。
  • 3

    上記倍率にした際の視野を求めて検査対象範囲に対して十分か確認する

  • (5)イメージサークルの長さを求める

    (6)視野を計算し、検査対象範囲をカバーするか確認する

    イメージサークル(mm) ÷ 倍率 = 視野

    【計算例】

    画像:レンズ倍率を3.76倍にした際の視野の計算例。条件:カメラセンサの長さ66.6mm。計算式:66.6mm ÷ 3.76倍 = 視野17.71mm。この視野が検査対象範囲をカバーするか確認するステップを示しています。

    可変倍率レンズの利点

    計算上最適な倍率が導き出せても、その倍率を持つ単焦点レンズが見つからない、という問題は少なくありません。可変倍率レンズは、倍率を連続的に微調整できるため、検査対象や設置条件に合わせた最適な視野と画素分解能を妥協なく実現します。

    画像:可変倍率レンズの効果を説明する図。お困りごととして固定倍率(1倍、2倍)では画素分解能が足りない、または視野に入らないという課題に対し、可変倍率レンズ(例:1.75倍)なら細かく調整でき、最適な視野と画素分解能で正確に欠陥検出できることを示しています。

    Rayfactは低倍率から高倍率まで幅広いラインナップを揃えています。
    お客様の条件に最適な倍率を確認後、その倍率に固定してご提供することも可能です。

    画像:ニコンRayfactレンズのシリーズごとの特長比較。低倍率(0.05倍)のMJシリーズはカメラのセンササイズより大きい視野を確保でき、高倍率(6倍)のRF変倍シリーズは微細な部分まで高精細に撮影できることを示す比較図。

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    Coming Soon
    次回「ステップ3:詳細性能を検討する」は9月24日頃の更新を予定しています

    現場のニーズに応える幅広いレンズラインナップ

    Rayfactは幅広い製品ラインナップを持ち、特定の検査ニーズに合わせた最適なレンズを選択できます。また、UV波長による検査や燃焼・プラズマ試験観察に適した紫外線対応レンズも取り揃えています。カメラの性能を最大限に引き出し、各分野の課題解決に貢献します。

    画像:画像:二コンRayfactレンズの倍率とワークサイズに応じた製品マッピング図。 ※ Rayfact のワークサイズはイメージサークル 80 mm 換算

    関連製品

    外観検査用途に専用設計された高性能レンズで、シートやフィルム、印刷物、FPD用ガラス基板など、さまざまな検査の精度向上に貢献します。

    株式会社ニコン
    インダストリアルソリューションズ事業部

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