アヲハタと共同開発した、ジャム・フルーツスプレッド用異物検査装置が本格稼働

ニコンが持つ光学技術に加え、AIを活用

2019年5月22日PRESS RELEASE/報道資料

左の黒い装置が異物検査装置

株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区)は、ジャム・フルーツスプレッドの製造工程において、異物・夾雑(きょうざつ)物を検出するための異物検査装置をアヲハタ株式会社(社長:山本 範雄、以下「アヲハタ」)と共同開発しました。その異物検査装置が、「アヲハタ 55ジャム」など主力商品の生産ラインにおいて、2019年5月から本格稼働しています。
アヲハタが持つ、異物・夾雑物の検出・除去に関するノウハウと、ニコンが持つ光学技術に加えAIを活用することで、検出が困難とされてきたジャム・フルーツスプレッド分野における異物・夾雑物の自動検査を可能にしました。製品の安全・安心に対する信頼性の向上や、製造現場における、人の目による検査に要していた多大な労力の削減に貢献します。

共同開発の背景

ジャム・フルーツスプレッドの製造においては、原料に混入した異物・夾雑物(原料となるフルーツのヘタ・葉・枝・種など)を取り除く工程があります。これまでは、人の目による検査を行っていましたが、検出の精度にバラつきが発生するなどの課題がありました。また、人の目による検査は作業者の身体的負担も大きいため、作業改善が必要とされていました。一方、原料の種類の多さや果肉の形状により、ジャム・フルーツスプレッド分野においては、異物・夾雑物の検査工程の自動化は困難とされてきました。
ニコンは、アヲハタからの要望を受け、2015年から基礎実験を重ね、2016年にはアヲハタと共同開発契約を締結。その後、異物検査装置の製作を開始しました。

装置の特長

ジャム・フルーツスプレッドは、原料ごとに果肉の様子や状態が異なります。当装置は、ニコンの持つ「分光技術」を用い、ベルトコンベアを流れるジャム状の原料を連続的に撮影した画像から異物・夾雑物を検出します。
分光技術とは、さまざまな波長が含まれている光を波長成分に分ける技術です。その分光技術を用いて、原料として問題のない果肉と、異物・夾雑物の違いを見分けます。ニコンは、検出実験の結果から、両者の違いを見分けるために最も適した波長のフィルタの組み合わせを選定し、当装置に搭載しました。また、撮影画像から異物・夾雑物を検出する処理には、AIの一種であるディープラーニングを活用しています。当装置は、ニコンの検査装置としては初めてディープラーニングを搭載した製品となります。

ニコンは、光学技術やAIを応用し、幅広い分野で活用できる検査装置の開発に今後も注力していきます。

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