ニコンのサステナビリティ
基本的な考え方
ニコングループでは、企業理念である「信頼と創造」を事業活動の中で具現化することで、持続可能な社会に貢献しつつ自社の持続的成長を図ることをめざす「サステナビリティ方針」を掲げています。そして、この方針のもと、社会的責任に対する企業としての基本姿勢と、それに基づき従業員がとるべき行動の規準を定めた「ニコン行動規範」を定めています。
サステナビリティ方針
ニコングループは、企業理念である「信頼と創造」を事業活動の中で具現化することで、持続可能な社会への貢献と自社の持続的成長の双方を目指します。
- ニコンならではの製品・サービスを生み出し、事業活動を通して、環境・社会課題の解決やSDGs 達成に貢献することを目指します。
- 自らの事業が環境・社会に与える影響を常に客観的に評価し、課題を継続的に改善していくことで、より良い影響を環境や社会にもたらすよう努めます。
- 積極的にステークホルダーとの対話を行うことで、社会の変化を的確にとらえるとともに、ステークホルダーからの要請や期待に応え、自らの活動を常に見直します。
- 法令等を遵守するにとどまらず誠実・公正に行動するとともに、適切な情報開示を行います。
サステナビリティ戦略
ニコングループでは、サステナビリティ方針を実行していくために、中期経営計画や年度計画の策定と併せてサステナビリティ戦略を立案しています。
サステナビリティ戦略では、「社会の期待に『信頼』で応える」と「『創造』を通じて社会に貢献する」の2つの側面から、事業、環境、社会・労働、ガバナンスの4分野において12のマテリアリティを設定しています。その上で、中期経営計画で掲げる「2030年のありたい姿」を実現するために必要なマテリアリティごとのありたい姿、戦略、指標・目標を定めています。
ニコングループは、これらの進捗を管理し、評価・改善のサイクルを回すことで、サステナビリティ方針で掲げる持続可能な社会への貢献と自社の持続的成長の双方を実現します。
中期計画期におけるサステナビリティ戦略の概念図
マテリアリティごとのありたい姿と戦略
事業
1. コア技術による社会価値創造
- ありたい姿
- 人と機械が共創する社会の中心企業
- 戦略
- 成長ドライバー、サービス・コンポーネントの拡大
- 指標/目標(達成年度)
-
- 成長ドライバーの連結営業利益に占める比率/40%以上(2030年度)
- サービス・コンポーネントの連結営業利益に占める比率/50%以上(2030年度)
2. 信頼に応える品質の維持・向上
- ありたい姿
- 安全、環境、セキュリティに配慮した競争力のある製品・サービスの提供
- 戦略
- 品質マネジメントの高度化と定着
- 指標/目標(達成年度)
-
- 事業環境の変化に対応した品質マネジメントシステムの見直し計画の達成度/100% (毎年度)
- 品質マネジメントシステムの運用状況モニタリング・改善計画の実施率/100%(毎年度)
- 品質に関する基本教育の理解度*/80%以上(2025年度)
- *対象範囲:株式会社ニコンの事業部およびグループ生産会社。
環境
3. 脱炭素化の推進
- ありたい姿
- 2050年度までにバリューチェーン全体のネットゼロを実現
- 戦略
- Scope1、2、3の削減と再生可能エネルギーの導入加速
- 指標/目標(達成年度)
-
- Scope 1、2削減率/2022年度比 57%(2030年度)
- Scope 3の削減率/2022年度比 25%(2030年度)
- 再生可能エネルギー導入率/100%(2030年度)
4. 資源循環の推進
- ありたい姿
- バリューチェーン全体における資源消費の最小化と資源循環利用の最大化
- 戦略
- 資源消費量の削減と廃棄物等の削減
- 指標/目標(達成年度)
-
- 製品へのリサイクル材使用率/5%以上(2030年度)
- 廃棄物総排出量削減率/2018年度比 10%以上(2030年度)
- 淡水消費量削減率/2018年度比 5%(2030年度)
5. 汚染防止と生態系への配慮
- ありたい姿
- バリューチェーンにおける人の健康と生態系への負の影響ゼロ
- 戦略
- 化学物質の適切な使用と生態系への影響・依存の低減
- 指標/目標(達成年度)
-
- 製品における有害化学物質の含有/含有ゼロ(2030年度)
- 製造プロセスにおける有害化学物質の使用/使用ゼロ(2030年度)
- FSC 認証紙または再生紙の比率(カタログ、取扱説明書、梱包箱)/100%(2030年度)
社会・労働
6. レジリエントなサプライチェーンの構築
- ありたい姿
- 事業リスクや社会課題に対し、常に健全な状態が保たれたサステナブルなサプライチェーン
- 戦略
- サプライチェーンのリスクアセスメントと有事に即応できる仕組み構築
- 指標/目標(達成年度)
-
- 人権デュー・ディリジェンス実施率*1(重点的に取り組む調達パートナー)/100%(2025年度)
- サプライチェーンのBCP体制把握*2/100%(2025年度)
- *1調査や監査により是正が必要な場合は改善完了まで実施。
- *2BCP体制構築に必要とされるサプラチェーンの範囲を調達先の社数で管理。
7. 人権の尊重
- ありたい姿
- バリューチェーン全体における人権リスクの最小化
- 戦略
- ニコン人権方針による人権啓発と人権デュー・ディリジェンスの実施
- 指標/目標(達成年度)
-
- 人権方針浸透度/100%(2030年度)
- RBA行動規範遵守率*/90%以上(2025年度)
- *対象範囲:ニコングループの生産系事業所。
8. ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン
- ありたい姿
- 多様性を受容し事業活動に活かす企業文化の実現
- 戦略
- Nikon Global Diversity, Equity&Inclusion Policyの浸透、多様な人材が活躍できる環境整備と、DEIの事業活動への展開
- 指標/目標(達成年度)
-
- Nikon Global DEI Policy浸透度/100%(2030年度)
- 女性管理職比率*/8.0%以上(2025年度)
- *対象範囲:株式会社ニコン。
9. 従業員の健康と安全
- ありたい姿
- 安全かつ快適な職場環境下で一人ひとりが心身の健康を実感しながら能力を発揮
- 戦略
- ニコングループ健康安全方針の浸透と、健康安全活動の実施
- 指標/目標(達成年度)
-
- 定期健康診断有所見率*1/前回全国平均*2以下(毎年度)
- 業務起因性、業務遂行性の高い労働災害件数/60件以下(2025年度)
- ストレスチェックでの高ストレス者率*3/前回全国平均*4以下(毎年度)
- *1対象範囲:2024年度よりニコンから国内ニコングループに拡大。
- *2厚生労働省が公表する製造業の全国平均値。
- *3対象範囲:株式会社ニコン。
- *4ストレスチェック委託業者が公表する全国平均値。
ガバナンス
10. コンプライアンスの徹底
- ありたい姿
- コンプライアンス違反の発生ゼロ
- 戦略
- ニコン行動規範の浸透
- 指標/目標(達成年度)
-
- コンプライアンス意識の定着/95%以上*(2025年度)
- 内部通報制度の認知度/95%以上*(2025年度)
- *ニコングループ意識調査により確認。
11. コーポレートガバナンスの強化
- ありたい姿
- 透明性・効率性が高くステークホルダーに信頼されるガバナンス
- 戦略
- 取締役会の実効性評価の継続実施と多様性向上
- 指標/目標(達成年度)
-
- 取締役会の実効性評価と重点課題対応/100%(毎年度)
- 取締役会のダイバーシティ/ステークホルダーの要請に応える取締役会構成の最適化 (毎年度)
12. リスクマネジメントの強化
- ありたい姿
- 重要リスクに対する対策が適切に講じられている
- 戦略
- 環境変化と経営戦略に即した全社的リスクマネジメント体制の確立
- 指標/目標(達成年度)
-
- リスクアセスメントに基づく重要リスクの特定と施策実施の進捗度/100%(毎年度)
- *指標/目標の対象範囲:とくに注記が無いものは、ニコングループ(株式会社ニコンおよび連結子会社)。
ガバナンス
ニコングループでは、代表取締役 兼 社長執行役員を委員長とした、「サステナビリティ委員会」を設置しています。
本委員会では、マテリアリティ(重点課題)の見直しをはじめ、それらの課題に対する戦略や目標の設定、各施策の進捗管理、実績の評価および改善の指示など、サステナビリティに関する活動全般の審議や管理を実施するほか、マテリアリティを中心としたサステナビリティに関するリスクと機会のモニタリングも行っています。
サステナビリティ委員会で審議・決定した内容は、ニコンのコーポレート部門が主幹となり、グループ全体の活動に展開しています。また、その他の部門も、年度計画の中でサステナビリティと事業双方の目標を一体として立案し、取り組みを進めています。
サステナビリティ推進体制図(2024年4月1日現在)
リスク管理
ニコングループでは、経営に重大な影響をおよぼすリスクに対して適切に対応できるよう、CRO(Chief Risk Officer)を委員長とする「リスク管理委員会」を設置しています。リスク管理委員会では、ニコングループ全体のリスク把握調査を実施し、特に優先して取り組むべきリスクについてはその進捗を管理しています。
また、リスク管理委員会とサステナビリティ委員会は、定期的に報告内容の共有や、対応するべき案件や事案の洗い出し、必要に応じた対応を連携して実施し、リスクへの対応を図っています。
サステナビリティ報告書
詳しくはサステナビリティ報告書の「サステナビリティの考え方」「戦略」「ガバナンス」「リスク管理」「指標と目標」をご覧ください。
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基本的な考え方
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サステナビリティ戦略
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マテリアリティの選定
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サステナビリティ推進体制
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PDCAを回す仕組み
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国際的なイニシアチブへの参画
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ステークホルダー・エンゲージメント
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サステナビリティリスクの管理