リスクマネジメント

基本的な考え方
近年、地政学リスクやデジタル革新による情報セキュリティリスクの増大、気候変動など、外部要因によるリスクが高まっています。
ニコンの事業環境は、さらに、インフレ抑制のための各国における政策金利上昇、関税の引き上げ、円安、市場の大きな変化等の社会情勢に大きな影響を受けています。これらによって生じるリスクにも適切に対応できなければ、顧客や株主などのステークホルダーの信頼を失い、企業の存続に関わるダメージを受けることが予想されます。
一方で、リスクマネジメントは、不正や事故などが発生した場合の影響を最低限にとどめるだけではなく、経営戦略を実現するためのリスクテイクの側面も持ち合わせています。
ニコングループでは、中期経営計画の未達といった内部要因も対象に、多様化するリスクを適切にマネジメントすることにより、自社における経営上の重要リスクを的確に把握し、優先度を付けてリスクの回避や低減、適切なリスクテイクを図ります。これにより、経営戦略に沿った事業展開を促し、将来的な利益確保や企業の持続的成長につなげていきます。
関連する方針
戦略
ニコングループでは、自社グループが抱えるリスクを把握するため、社内が考えるリスク、社外が考えるリスクを調査し、事業運営にあたって目配りすべき重要リスク(重要戦略リスク、重要オペレーションリスク)を特定。中期経営計画にて事業部門、管理部門が自部門に影響が大きい重要リスクを設定した上で、各々の目標や施策に展開しています。
リスクマネジメント
ニコングループでは、グループ全体のリスクを把握するため、毎年「リスク把握調査」を実施しています。対象は当社の部長相当以上および国内・海外グループ会社の社長で、全社的な重要リスクの洗い出し、分析・評価、対応状況のモニタリングを行っています。
調査結果をもとに、回答数や影響度に加え、社外のリスク認識も踏まえた「リスク相関図」を作成し、重要リスクを特定。取り組みを強化すべき課題をリスク・コンプライアンス委員会で判断しています。
特定した重要リスクのうち、全社戦略に関わるものは経営が、個別事業に関わるものは各事業部門が主体となって対応を推進します。また、サステナビリティ委員会、品質委員会、輸出審査委員会などからの情報も踏まえ、リスク・コンプライアンス委員会が経営視点で最優先リスクを特定し、対応の指示と進捗管理を行っています。なお、2026年4月には同委員会の傘下に情報セキュリティ委員会を設置します。
取締役会はこれらの報告を受け、グループ全体のリスク管理状況を監督しています。また、経営監査部は毎年、グローバル内部監査基準に基づく内部監査を実施し、リスク管理の妥当性を確認しています。
今後も、特定した重要リスクへの対応を新たな中期経営計画に反映するとともに、各部門の対応状況を踏まえながらリスク管理体制の整備とリスク低減を進めていきます。
ピックアップ
リスク管理教育
企業にとって、従業員一人ひとりが適切なリスクリテラシーを持ち、健全なリスクテイクを志向することは重要です。ニコングループでは、特に、管理職層以上が、リスクに対する高い意識を持ち、感知と管理のスキルを習得していることが、経営上のリスク回避や低減、適切なリスクテイクには不可欠と考えています。
そこで、ニコングループでは年1回ニコンの部長相当以上および国内・海外グループ会社社長に対して実施している「リスク把握調査」を、リスクを認識し感度を高める機会とも位置付け、啓発に活用しています。また、個別リスクに対する教育として、全従業員を対象に、情報セキュリティ、競争法、取適法、個人情報保護法、行動規範、インサイダー取引規制、法人税計算と税務コンプライアンス等の教育を実施し、役員を対象としたコンプライアンスセミナーを組み込んでいます。この他、ニコングループでは、ニコンおよびグループ会社に適用される規程を整理しており、遵守徹底のため、管理契約を締結するとともに、各責任者の理解促進のための教材をポータルサイトで共有しています。
BCM*活動への取り組み
ニコングループでは、大規模災害や感染症などの発生に備えて、BCM*実施要領・初動対応マニュアルを策定し、定期的に見直しをしています。
初動対応と有事における復旧体制の強化に向け、事業部・製作所・子会社間の連携体制の点検を継続的に実施しています。
- *BCM(Business Continuity Management):事業継続マネジメント。BCP策定や維持・更新、事前対策の実施、教育・訓練の実施、点検、継続的な改善などを行う平常時からのマネジメント活動。
BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)は、大地震等の自然災害、感染症のまん延など不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順などを示した計画。
サステナビリティ報告書2026
より詳細はサステナビリティ報告書の「リスクマネジメント」をご覧ください。
サステナビリティ報告書2026 - データ集
「ガバナンス」に関連するデータをまとめています。
安全保障輸出管理への取り組み
ニコンは国際社会と協調して輸出等の管理を行っています。