協働ロボット用関節ユニット インテリジェントアクチュエータユニット「C3 eMotion」を発売

自由で容易なロボット設計に貢献する

2019年12月11日PRESS RELEASE/報道資料

「C3 eMotion」(IAU-60)
「C3 eMotion」(IAU-200)

株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区)は、モータ、減速機、駆動回路、ブレーキ、エンコーダをパッケージ化した、インテリジェントアクチュエータユニット「C3 eMotion(シースリー エモーション)」を発売します。
「C3 eMotion」は、協働ロボットの関節ユニットで、複数の「C3 eMotion」を組み合わせて使用することにより、ロボットメーカーのみならず、ロボット設計のノウハウを持たないエンジニアの方も簡単にロボットをつくることができます。
また、「C3 eMotion」は、2つのエンコーダを組み込んだニコン独自の「ダブルエンコーダ構造」を採用。これにより、外力を感知してロボットを安全に停止させたり、人がロボットを直接動かして動作を記憶させる「ダイレクトティーチング」など、さまざまな機能をロボットに盛り込むことができます。
今回、サイズやトルクなどが異なるIAU-60とIAU-200の2種を発売。今後、ラインアップを拡充していきます。

なお、本製品は、「2019国際ロボット展」(2019年12月18日~21日、於:東京ビッグサイト)に出展します。

  • 動力を、歯車などを介して回転速度を減らしトルクを向上させて出力する装置のこと。減速比に比例したトルクを出力できる。

発売概要

商品名 インテリジェントアクチュエータユニット「C3 eMotion」(IAU-60)
インテリジェントアクチュエータユニット「C3 eMotion」(IAU-200)
発売時期 2020年4月1日

ものづくりの現場では、次世代の働き手として、人と同じ空間で共に作業する協働ロボットへの期待が高まっています。しかし、ロボットの関節部は、モータ、減速機、駆動回路、ブレーキやエンコーダなど、さまざまなパーツで構成されており、製造するうえで高度な技術とノウハウが必要です。「C3 eMotion」は、ニコンが得意とするエンコーダをはじめ、これらのパーツをパッケージ化した、ロボットの関節ユニットです。

また、「C3 eMotion」に採用している「ダブルエンコーダ構造」は、入力側であるモータ部と、出力側であるシャフト部の2カ所にエンコーダを使ったニコン独自の方式です。ロボットの関節部は、モータが回転し、減速機などを介してシャフトに伝えられて駆動するしくみになっており、一般的に、エンコーダはモータ部のみに取り付けられます。しかし、「C3 eMotion」は、減速されたシャフト側にもエンコーダを搭載することで、入力側と出力側の微細な回転差異を検出し外力を感知することができます。

「C3 eMotion」のC3は、Connect、Control、Cooperateを表しています。「C3 eMotion」同士を接続し(Connect)、ロボットを組み立てて制御し(Control)、ロボットと協働して(Cooperate)ものづくりを行うために開発しました。従来難しいとされてきたロボットの設計や制御を、ニコンがもっと身近なものにします。

「C3 eMotion」の活用例。IAU-60を3台、IAU-200を3台、使用した6軸ロボット。

主な特長

1. 自由で容易なロボット設計に貢献

「C3 eMotion」を複数使用することでロボットの関節数を増やすことができ、アーム部の長さを任意に調整することで、独自のロボットを自由に設計できます。
さらに、ロボットを制御する専用コントローラを使用いただくことで、容易に作動させることができます。ロボット制御のノウハウを持たないお客様もロボットを設計することが可能です。

2. 高い安全性

「ダブルエンコーダ構造」により、動作中のロボットの微細な変位を検出し、異常を顕在化する外力検知機能を有します。例えば、稼働中のロボットが人やものに当たった際にすぐにその外力を感知し、システムを停止させることが可能です。

3. ダイレクトティーチングで動作教示

「ダブルエンコーダ構造」の外力検知機能を応用することで、ロボットを直接人が動かして動作教示するダイレクトティーチングを可能にします。

4. 高精度な位置決め性能

「ダブルエンコーダ構造」により、入力軸側だけでなく出力軸側にも高性能なエンコーダを搭載。それぞれの回転を相互にモニターして正確な位置情報を伝達、高い位置決め性能を発揮します。

主な仕様

横にスクロールしてご覧ください。

型番(model number) IAU-60 IAU-200
電源電圧 48 V
瞬時最大トルク 55 N・m 200 N・m
定格トルク 30 N・m 95 N・m
定格回転速度 20 min-1 15 min-1
トルク検出範囲
F.S.(Full-Scale)
30N・m 130N・m
トルク検出精度 ±5F.S. %
エンコーダ精度 ±15 arc sec
減速比 81 101
電磁ブレーキ保持トルク(入力軸) 0.62 N・m 2.8 N・m
エンコーダ分解能 入力軸:多回転ABS(一回転分解能24bit、多回転分解能16bit)
出力軸:一回転ABS(一回転分解能24bit)
ドライバ基板 アクチュエータに内蔵
通信方式 EtherCAT CiA402
外径 88 mm 119 mm
全長 173.8 mm 195.9 mm
質量 2.5 kg 5.4 kg
使用周囲温度 0~40 ℃(結露不可)
保管周囲温度 0~50 ℃(結露不可)
  • EtherCATは、ドイツのBeckhoff Automation GmbHよりライセンスを受けた特許取得済み技術であり登録商標です。

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