眼底の約80%の領域で任意の位置の断層画像を取得
SS-OCT付き超広角走査型レーザー検眼鏡「Silverstone」を発売

2020年3月25日PRESS RELEASE/報道資料

SS-OCT付き超広角走査型レーザー検眼鏡「Silverstone」
眼底の約80%の領域の眼底画像(カラー)と、任意の位置(黄色線)の断層画像(白黒)を示したイメージ

株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区)の子会社Optos Plc(CEO:Robert Kennedy、本社:英国)は、UWF(Ultra-Widefield)技術とSS-OCT※1技術を搭載し、眼底の約80%の領域を1回で撮影でき、その領域における断層画像をoptomap®※2を用いて取得することが可能なSS-OCT付き超広角走査型レーザー検眼鏡「Silverstone」を開発しました。
ニコンの子会社である株式会社ニコンヘルスケアジャパン(社長:園田 晴久、東京都品川区)が、4月1日より発売します。(一部修正しました。2023年10月16日)

  • ※1Swept-Source Optical Coherence Tomographyの略。光の出力波長を時間とともに切替えることができるレーザー光源を使用した光干渉断層計のこと。網膜表面から強膜方向に数mm程度の深さまで、断層画像を観察・測定する技術。
  • ※2Optos Plcのスキャニングレーザー技術を活用して取得されたデジタル画像。

発売概要

商品名 SS-OCT付き超広角走査型レーザー検眼鏡「Silverstone」
発売日 2020年4月1日

「Silverstone」は、瞳孔を広げる散瞳剤を用いることなく、網膜中心部から周辺部までの状態や、さらに網膜の断層の状態を可視化することで、眼球組織内の微細な病変をとらえることができます。また、眼底の約80%の領域の眼底画像と、任意の位置での断層画像を1台の装置で撮影できるため、検査のワークフローを大きく改善し、眼疾患の早期発見や治療、経過観察をサポートします。

ニコンは「失明のない世界」の実現を目指すとともに、世界中の人々のQOL(Quality of Life)の向上に貢献していきます。

主な特長

1. 眼底の約80%の領域において、眼底画像と断層画像を1台で撮影が可能、眼疾患の早期発見に貢献

眼底の約80%の領域をカバーする眼底画像と、その領域における任意の位置の断層画像を1台でとらえます。網膜中心部に多く発生する緑内障や加齢黄斑変性症にくわえ、眼底周辺部に多く発生する網膜剥離や網膜裂孔、眼腫瘍などの異変をとらえます。これにより、網膜中心部から周辺部における、眼疾患の有無や重症度の確認が可能となり、病気の早期発見に貢献します。

眼底周辺部の網膜分裂症の眼底画像(カラー)と、任意の位置(黄色線)の断層画像(白黒)を示したイメージ

2. 検査のワークフローを大きく改善

眼底の約80%の領域における眼底画像と、任意の位置での断層画像を取得できます。診断に必要な画像を「Silverstone」1台で取得することができるため、検査時間を短縮し、ワークフローを大きく改善します。

3. 硝子体から強膜まで、高精細な断層画像を高速に取得

SS-OCT技術の採用により、従来製品に比べ1.4倍の高速撮影を実現しました。さらに、眼球組織内への深達性が高い1050 nmのレーザー光源を使用することで、より深くまで光が到達し、硝子体から強膜まで、最大2.5 mmの深さの断層画像を高精細に取得できます。

4. 4種類の眼底撮影モードと断層撮影で網膜診断を包括的にサポート

異なる波長のレーザーを用いることで、合成カラー画像、眼底自発蛍光※3、フルオレセイン蛍光眼底造影※4、インドシアニングリーン蛍光眼底造影※5の眼底画像を取得することができます。これらに断層画像を組み合わせることで包括的な網膜診断のためのデータを提供します。

  • ※3蛍光眼底造影剤を用いず、眼の組織自体から発生する自発蛍光を観察する低侵襲な検査法。
  • ※4蛍光眼底造影剤を用い、フルオレセイン(FA)蛍光の血中反応による変化をもとに、主に網膜毛細血管の閉塞の有無や血液網膜関門の障害、また網膜新生血管の所在などを明瞭に検出する。
  • ※5蛍光眼底造影剤を用い、インドシアニングリーン(ICG)蛍光の血中反応による変化をもとに、主に脈絡膜の血管病変や循環動態の評価などを可能にする。
合成カラー画像
眼底自発蛍光
フルオレセイン蛍光眼底造影
インドシアニングリーン蛍光眼底造影
断層画像

主な仕様

横にスクロールしてご覧ください。

超広角画像撮影 画像タイプ optomap plus(レッドおよびグリーンレーザー):
 合成カラー画像
 レッドフリー画像
 レッドレーザー画像
optomap af(グリーンレーザー):眼底自発蛍光
optomap FA(ブルーレーザー):フルオレセイン蛍光眼底造影
optomap ICG(IRレーザー):インドシアニングリーン蛍光眼底造影
解像度 optomap plus、af、FA、ICG:14 μm
波長 ブルーレーザー:488 nm
レッドレーザー:635 nm
グリーンレーザー:532 nm
IRレーザー:802 nm
撮影時間 0.4秒未満
OCT画像撮影 OCT方式 Swept Source方式
光源波長 1,050 nm
光パワー レーザー安全クラス-1、IEC/EN60825-1:2014に適合
軸方向分解能 < 7 μm(組織内)
横方向分解能 < 20 μm(組織内)
スキャナー ガルバノスキャナーX、Yペア
スキャン深度 最大2.5 mm
A-スキャンレート 最大100,000 Aスキャン/秒
OCTスキャンの種類 Line Scan
 幅:6 mm、14 mm、23 mm
Volume & High-Density Volume Scan
 高さ:最小3.5 mm、最大9 mm
 幅:最小6.0 mm、最大14 mm
本体寸法 幅:540 mm
奥行き:570 mm(チンレストを含む)
高さ:683~707 mm
質量 45 kg
システム電圧 単相100 V、50/60 Hz
消費電力 最大 289-350 VA
  • 販売名:超広角SLO+OCT Silverstone
  • 医療機器認証番号:302ABBZX00002000

こちらに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。販売が既に終了している製品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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