事業

ニコングループは、企業理念「信頼と創造」のもと、事業活動によって新たな価値を「創造」し、持続可能な社会を実現することをめざしています。

マテリアリティ

ピックアップ

不妊治療を支える製品で
少子化問題解決に貢献

ICSI / IMSI用電動倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-I」(株式会社ナリシゲライフメッドのマニピュレーター装着時)

日本や欧米などでは少子化が深刻な社会課題となり、不妊治療の需要が増加する中*、体外受精や顕微授精、胚培養など生殖補助医療を支える「胚培養士」の負担も増しています。このような社会的な背景から、ニコンの子会社である株式会社ニコンソリューションズは、顕微授精に特化した「ECLIPSE Ti2-I」を2024年7月に発売しました。
顕微授精は採卵した卵子に、顕微鏡下で直接精子を注入する治療法で、顕微鏡で観察しながら、短時間で効率かつ正確に作業する必要があります。「ECLIPSE Ti2-I」は、プロセスごとに必要な顕微鏡の設定変更や観察モードの切り替えを、顕微鏡をのぞいたまま手元のボタンによりワンタッチで行うことができ、従来機種と比べて操作工数を約75%削減(ニコン調べ)。また、ディスプレイには直感的なアイコンを採用するほか、アラート機能を搭載することで操作ミスを予防します。さらに、ニコン独自の光学技術によって、視認が難しい卵子の紡錘体を全方位でカラー表示でき、精子を注入する際に針を刺す角度を正確に見極めるサポートとなります。

  • *日本では、不妊治療による出生は全体の8.6%(「ART データブック」(日本産科婦人科学会)、「合計特殊出生率について」(厚生労働省)をもとに、2021年の出生数から算出)。欧州では、不妊治療は2011年と2019年の比較で約1.8倍に増加(「ART in Europe, 2019: results generated from European registries by ESHRE」(Human Reproduction, 2023, 38(12), 2321–2338)をもとに算出)。米国では、不妊治療は 2012年と2021年の比較で約2.3倍に増加(「CDC 2021 Assisted Reproductive Technology (ART) Fertility Clinic and National Summary Report」をもとに算出)。

次世代半導体製造とサステナブルな
未来に貢献するデジタル露光装置

モノリシックICにおける回路パターンの微細化が限界に近づきつつある中、新たな半導体製造技術として注目されているチップレット。特にデータセンター向け半導体には、より多くのチップを搭載できる大型のチップレットが不可欠となっており、チップ同士を正確に接続するための配線を形成する配線用露光装置には、微細化と露光面積の拡大が求められています。
ニコンでは、長年培ってきた半導体露光装置の高解像技術によって微細化を可能にし、最先端の配線形成に対応するデジタル露光装置の開発を進めています。露光面積の拡大に対しては、複数のレンズを並べて広い露光エリアを効率的にスキャンすることができるFPD露光装置の「マルチレンズテクノロジー」を投入することで克服できます。微細化と生産性を両立することで、次世代半導体製造において不可欠な技術基盤を提供していきます。

2024年度の主な活動の実績

オープンイノベーションによる投資支援

ベンチャー21社、ベンチャーキャピタル12社

調達パートナー向け品質管理システムアセスメント

80社実施

お客様満足度

88.7%
  • *映像事業における米州、欧州および中国でのコールセンターの対応に対する満足度。