月食をかんさつしよう
月食のふしぎをさぐってみよう
月が欠けていくのが、月食(げっしょく)だね。
月の形はどう変わっていくのかな。色はどうなるのかな。かんさつして、記録してみよう。
月食だと、なにが起きるの?
月食(げっしょく)は、満月(まんげつ)が欠けて見えるできごとなんだよ。まるいおせんべいをかじるように、月がはしの方からだんだん欠けていって、またちゃんと、元の形にもどるんだ。月の形が毎日変わるのは知っていると思うけど、そのときの月の欠け方と、月食のときの月の欠け方は、ちがうところがあるんだ。満月になった月が、毎日少しずつ欠けはじめるときはレモンみたいな形になるけど、月食のときは、月がかじられたみたいになるんだよ。だから月食、「月を食べる」というんだね。
月食には、部分月食と皆既月食(かいきげっしょく)の2つがあるんだよ。部分月食は月の一部が欠けるだけなんだけど、皆既月食では、月の全部が欠けてしまうんだ。でも、月がなくなっちゃうわけじゃないよ、また元の形にもどるんだ。
なぜ、月食が起きるの?
月食(げっしょく)のときの、月がかじられたようなところは、実は、地球の影(かげ)なんだよ。月は、太陽の光をはね返して光っているので、太陽と月の間に地球が入ると、太陽の光がつくる地球の影が月にうつるんだ。つまり、太陽、地球、月の順にならぶと、月食が起きるんだよ。
地球の影が月の一部だけをおおうのが部分月食で、地球の影が月をすっぽりおおってしまうのが皆既月食(かいきげっしょく)なんだ。
夕やけ色の満月になるのは、なぜ?
皆既月食(かいきげっしょく)では月の全部が欠けるので、真っ暗(まっくら)になって月が見えなくなるんじゃないかと思うよね。だけどじっさいは、赤っぽい色の満月(まんげつ)が見えるんだ。この色は赤銅色(しゃくどういろ)ってよばれることが多いよ。
皆既月食の月が赤っぽく見えるのは、地球の空気が太陽の光を曲げるからなんだ。夕やけと同じで、太陽の白い光が地球の空気やちりに当たって散らばって、赤っぽい光だけが月に届くから、赤っぽい色になるんだよ。
空気の状態(じょうたい)によって月の色が変わるから、天文学者(てんもんがくしゃ)や気象学者(きしょうがくしゃ)は皆既月食の月の色をかんそくするのを、とても楽しみにしているんだって。
たとえば、火山が大噴火(だいふんか)して、火山灰(かざんばい)が空気にたくさんまざったりすると、もっと黒っぽい赤色になるらしいよ。
次の月食は、いつかな?
月食(げっしょく)は、太陽、地球、月の順にならぶと起きるので、満月(まんげつ)のたびに月食が起きそうだと思うけど、満月が必ず月食になるとはかぎらないんだ。
地球は太陽のまわりを回っていて、月は地球のまわりを回っていることは知っているよね。その回っている道だけど、ぴったり重なってはいないんだ、かたむいているんだよ。だから、満月が地球の影(かげ)の上や下を通ることが多くて、地球の影の中を通るのは年に2回ほどしかないんだ。
満月が地球の影を通るのは年に2回ほどしかないし、そのうえ、それが昼間(ひるま)だと月食は見えないよね。だから、年に1回も見えない年もあるし、3回見える年もあって、平均すると日本では5年間に4回ぐらいしか見えないんだ。しかも、部分月食のときのほうが多いから、皆既月食(かいきげっしょく)はほんとうにめずらしいことなんだよ。
月食を記録しよう
月食(げっしょく)はとてもめずらしいことなので、かんさつしてみてね。自分の目で見てもよく見えるけど、双眼鏡(そうがんきょう)で見ると、とってもきれいで楽しいよ。記念に写真をとるといいね。月がどこから欠けはじめたか、どこから明るくなっていくか、色えんぴつでスケッチするのもいいよね。
用意するもの
- 気づいたことも書きのこしておこうね。月食用スケッチ用紙をダウンロードして印刷(いんさつ)してね。
- 10回ぐらいスケッチできるように、2まいの用紙を用意しておこう。
スケッチのポイント
- 月の影(かげ)の部分と明るい部分、色に注意しながらスケッチしよう。
- 20分か30分おきにスケッチすると、ちょうどいいよ。
- スケッチ用紙には、時間と気がついたことも、わすれずに書いておこう。