REDと共に切り拓く
映像制作の新たな可能性
SNSや動画配信サービスなど、動画コンテンツがかつてないほど身近になった昨今。見る側の楽しみ方が広がる一方で、映像をつくる側にもより多くのことが求められるようになってきました。
そんな映像の世界に新たな風を吹き込もうとしているのが、世界中の映像制作現場を支えてきたREDとニコンが共につくり上げたシネマ向け製品シリーズ「Z CINEMA」です。
変わりゆく映像制作のニーズ
動画コンテンツの急激な増加に伴い、映像制作の現場を取り巻く環境は大きく変化しています。
かつては、限られたプロフェッショナルが、時間やコストをかけて一本の映像作品をつくり上げるスタイルが主流でした。しかし、プラットフォームが多様化し、日常的に大量の動画が消費されるようになったいま、より多くのコンテンツをスピーディーに生み出しながら、他に埋もれないクオリティを担保することが、制作現場にとって重要なテーマとなっています。
一方で、こうした動画コンテンツに触れる機会が増えたことで、映像制作に関心を持つ若年層や個人クリエイターが増加。SNS向けの動画制作をきっかけに、より本格的な映像表現や作品づくりにステップアップする動きも広がっています。
この幅広いニーズに応えるため、ニコンとREDが互いの技術を融合させ生み出したのが、シネマ向け製品シリーズ「Z CINEMA」です。個人や少人数で制作を行うクリエイターからプロフェッショナルまで、さまざまな映像制作現場で高品質なソリューションを提供することを目的とした新しい製品シリーズです。
ニコン×RED、共創で挑むシネマ市場
そもそも、なぜREDと挑戦を共にすることになったのか。
これまで、ミラーレスカメラの動画機能や性能の向上に取り組んできたものの、シネマ市場への本格的な進出には至っていなかったニコン。プロフェッショナルのユーザーを中心とし、業界知見が求められるシネマ市場への本格参入には、新たなアプローチが必要でした。
そこで大きな突破口となったのが、2024年にニコングループに加わったREDでした。
REDは、ハリウッド作品をはじめとする世界の映像制作現場に支持されてきたシネマカメラメーカーで、映像制作の最前線を走り続けている存在。すでにシネマカメラ開発を始めていたニコンでしたが、REDがグループに加わったことで、ニコンのシネマ市場への挑戦は大きく加速することとなります。
REDが加わった後、両社は協業を本格化し、Z CINEMAを立ち上げました。
しかし、REDとの共創には、国や企業文化の違いから意見の相違やコミュニケーション上の課題もありました。それでも開発を前に進められたのは、「Customer centric(顧客視点)」「Disruptive(革新的)」という共通のスピリッツがあったからこそでした。
2025年には、REDの「V-RAPTOR [X] Z Mount」「KOMODO-X Z Mount」「V-RAPTOR XE」、そしてニコン初のシネマカメラ「ニコン ZR」を展開。約1年半という短期間で4つの製品を市場に投入し、シネマ市場における存在感を高めていきました。
Z CINEMAを支えるコア技術
Z CINEMAの特徴は、ニコンとRED、それぞれが培ってきた技術や知見を組み合わせ、新たなシネマ向け製品を生み出している点にあります。
REDの強みは、独自のRAW動画フォーマット「R3D」、高度なカラーサイエンス、効率的なシネマワークフローなど、映像制作の現場で培ってきた確かな技術と知見を持っていることにあります。カラーサイエンスは映像の色づくりに関わる技術、そしてシネマワークフローは撮影から編集、仕上げまでの一連の工程をスムーズにつなぐ制作環境を指し、制作現場にどこまでも寄り添うその姿勢こそが世界から求められる理由の一つです。
一方、ニコンは100年以上にわたって培ってきた光学技術に加え、高速かつ高精度なAF(オートフォーカス)や高い信頼性を強みとしてきました。過酷な撮影環境でも安定して使えるカメラづくりは、多くのフォトグラファーから支持を得てきました。
こうした両社の強みの中でも、REDのRAWフォーマットやカラーサイエンスを取り込みながら互いの技術と知見を結集させたのが、2025年10月発売の「ニコン ZR」。シネマ業界のユーザーからのフィードバックも反映させたオールインワンのコンパクトシネマカメラです。
ニコンのカメラ専用に新開発した動画記録ファイル形式「R3D NE」を搭載。RED機のカラーサイエンスを採用し、シネマティックな映像表現を提供します。
これにより、個人や少人数による映像制作から本格的な映画制作まで幅広いニーズに対応。REDカメラとの併用も想定されており、まさに、シネマ市場のゲームチェンジャーとなり得る存在です。
また、2025年9月にZ CINEMAシリーズに加わったREDの「V-RAPTOR XE」は、REDのフラッグシップ機「V-RAPTOR [X] Z Mount」と同等の性能を受け継ぎながら、ハイエンドな映像制作に必要不可欠な機能を厳選したモデル。トップレベルの映像品質を実現しながらも手の届きやすい価格帯で、ユーザーの選択肢を広げています。
本格的な映像制作への間口を広げるだけでなく、その挑戦の先でさらに高度な映像表現を追求する際にも、それに応えられる可能性を持っていること。それこそがZ CINEMAが提供する価値なのです。
豊かな階調と独自の表現が可能な「R3D NE」
R3D NEは、シネマカメラとして名高いRED機のR3DワークフローとカラーサイエンスをZRで活用するため、両社が共同開発したRAW動画記録フォーマット。これによりZRは、RED機との親和性の高いポストプロダクションワークフローを実現するとともに、REDならではの色調を活かした映像制作が可能です。
広いダイナミックレンジと2つのベースISO感度
ZRで動画ファイル形式が12bit R3D NEの場合は、ベースISO感度を低感度(ISO 800)と高感度(ISO 6400)で切り換え可能。シーンに合わせて最適な設定にすることで、明暗差の激しい日中の屋外や薄暗い室内の撮影などでも、シャドー部の質感を保ったままハイライト部の階調を滑らかに表現できます。
映像表現の未来へ
ニコンとREDの協業はまだ始まったばかりです。
今後もファームウェアアップデートを通じて、製品の価値向上を図っていきます。また、先日発表したシネマレンズの開発をはじめ、Z CINEMAラインナップのさらなる拡充にも取り組んでいきます。
REDがシネマ業界で培ってきた技術と知見、そしてニコンが長年磨き上げてきた光学技術やカメラ開発の技術。その融合は、今後の映像制作の可能性をさらに広げる原動力となっています。ニコンはこれからも、映像制作に向き合うすべての人々の創造性を支えながら、映像文化の発展に貢献していきます。
RED Digital Cinema, Inc.
Jeff Goodman
REDとニコンは、互いの強みを補完し合う関係にあります。この融合こそがZ CINEMAの強さの源であり、トップスピードで協業を進めたことで、短期間で4製品を発売することもできました。この勢いは、REDとニコンのユーザー、ひいては映像制作に関わる多くの人々の期待をさらに高めていくものと確信しています。
ニコン 映像事業本部 UX企画部
粟飯原 崇
REDをパートナーとして迎えたのは大きな意味のある決断だったと、今でも確信しています。シネマ業界で培われた情熱と専門性を持つ仲間を迎え、お互いの強みを活かしながら新たな挑戦ができることを大変心強く感じています。
REDは世界の映像制作現場で支持されてきた存在であり、プロフェッショナルへ優れた製品を提供してきました。この融合によって、両ブランドのユーザーが共に刺激を受け、さらなる創造性を発揮していくことを心から期待しています。
- ※所属、仕事内容は取材当時のものです。
製品の詳細情報をご紹介します。
公開日:2026年9月30日




