望遠鏡(ぼうえんきょう)をつくってみよう
遠くの山や月の表面の様子とか、遠すぎて小さく見えるものも、望遠鏡(ぼうえんきょう)を使うと目の前にあるみたいにずっと大きく見えるよね。でも、どうして大きく見えるんだろう。そのひみつをさぐってみよう!

遠くのものが大きく見えるしくみ
それはね、望遠鏡(ぼうえんきょう)の中にレンズや鏡(かがみ)が入っていて、光を集めることで、遠くのものを大きく見せてくれるんだ。

望遠鏡は、遠くの景色(けしき)から来る光を、大きなレンズでたくさん集めるんだ。そして、集めた光をもう一つの小さなレンズでのぞくと、景色が大きく広がるんだ。たとえば、虫めがねを使って小さな文字を大きく見たことがあるかな?あれと同じで、レンズで光を集めて、見たいものを大きく見せているんだ。
望遠鏡にはいろんなタイプがあるけど、「光をあつめて、見やすくする」は同じだよ。それが望遠鏡のはたらきなんだ。
望遠鏡(ぼうえんきょう)の歴史(れきし)
いまよりずっと昔から、人は遠くの陸地(りくち)や夜空の星ぼしにあこがれて、いろんな望遠鏡(ぼうえんきょう)をつくってきたんだ。
最初(さいしょ)に望遠鏡をつくったのは、オランダのハンス・リッペルハイという人だと言われているよ。1608年ごろのことなんだ。リッペルハイは、2つのレンズを組み合わせて遠くのものが大きく見えることを発見したんだ。
その後、イタリアのガリレオ・ガリレイという人が、リッペルハイの望遠鏡を改良(かいりょう)して、本格的に天体観測(てんたいかんそく)に使い始めたんだ。ガリレオは、自分でつくった望遠鏡で、月のクレーターや木星の衛星(えいせい)を見つけるなど、たくさんの発見をしたんだよ。
昔の望遠鏡は、いまの望遠鏡と比べるととても簡単なつくりだったのだけど、それでも人々は望遠鏡を使って、宇宙のふしぎを少しずつ解き明かしてきたんだ。

画像:Wikimedia Commons

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写真:Sailko/Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)
望遠鏡(ぼうえんきょう)をつくってみよう
身のまわりにあるもの、100円ショップで手に入るもので望遠鏡(ぼうえんきょう)をつくってみよう。つくった望遠鏡で、どんな風に見えるのか、いろいろじっけんしてみよう。
この工作では、はさみやカッターナイフなどの道具を使います。けがをしないように十分に注意し、むずかしいと感じたときは大人の人にてつだってもらいましょう。
望遠鏡で太陽を見てはいけません。失明(しつめい)の危険(きけん)があります。太陽はぜったいに見ないようにしましょう。
用意するもの



つくってみよう

- まず、筒(つつ)の部分を2つ用意するよ。長い方は長さ30cm、短い方は20cmになるように工作用紙に印(しるし)をつけ、カッターで切ろう。

- 長い方の工作用紙を長さ30cmの筒になるよう、大きい虫メガネにあわせて丸めていこう。紙が折れないようにゆっくり丸めよう。
- 大きい虫メガネをビニールテープでとりつけよう。レンズは斜(なな)めにかたむいたりしないよう注意(ちゅうい)して、しっかりとめよう。

- 望遠鏡の内がわで光が広がらないよう、筒の内がわに黒画用紙を入れるよ。画用紙を丸めて筒の奥(おく)まで入れ、あまった部分にえんぴつで印をつけよう。

- 黒画用紙を一度取り出して、印のところであまった部分を切り落とそう。
- 切り落としたら、黒画用紙を筒の中に入れ、セロハンテープでとめよう。

- 長さが20cmの短い筒は、長い筒の内がわに入るように少しだけ細くつくるよ。工作用紙を丸めて長い筒に入れ、太さを決めよう。
- セロハンテープで軽くとめておこう。

- 短い筒と接眼レンズをつなぐ部分、(アイピースというよ)を紙コップでつくるよ。カッターで、紙コップの底(そこ)を切りぬこう。
- それを3つ用意し、重ねよう。

- 黒画用紙を入れて、あまった部分にぐるっとえんぴつで印をつけよう。

- 印にそって切ったら、絵のようなおうぎ形になるよ。アイピースの内がわに入れてとめておこう。

- アイピースを短い筒にくっつけるよ。ビニールテープを使ってしっかりとめよう。筒とアイピースが斜めにならないよう気をつけてね。

- 短い方の筒の中にも黒画用紙を入れよう。長い筒のときと同じように、画用紙を丸めて筒の奥(おく)まで入れ、あまった部分にえんぴつで印をつけよう。

- 印にそってあまった部分を切り落とし、筒の内側に入れてフチのところでビニールテープでとめよう。

- アイピースの小さい方の口に、接眼(せつがん)レンズとなる小さい虫メガネをとりつけるよ。斜めにかたむいたりしないよう、注意してビニールテープでとめよう。

- 2つの筒を組み合わせたら望遠鏡の完成だ!
のこった4つの小さい虫メガネは、あとのじっけんで使うから、2つずつ重ねて、ビニールテープでとめておこう。
自分だけの望遠鏡(ぼうえんきょう)ができたら、接眼(せつがん)レンズの方からのぞいて遠くの景色(けしき)を見てみよう。遠くのものがどんなふうに見えるかな?
はっきり見えないときは、筒(つつ)のところを持って、望遠鏡の長さをゆっくり調整してみよう。ピントが合うところが見つかるよ。

望遠鏡で太陽を見てはいけません。失明(しつめい)の危険(きけん)があります。 太陽はぜったいに見ないようにしましょう。
やってみよう
接眼(せつがん)レンズをふやしてみよう
のこっている小さな虫メガネをテープではりつけて、接眼レンズをふやしてみよう。3まいのとき、5まいのとき、それぞれ遠くのものはどれだけ大きく見えたかな? 1まいだけのときと、見え方をくらべてみよう。

反対がわからのぞいてみよう
こんどは望遠鏡(ぼうえんきょう)を反対がわからのぞいてみよう。ふつうにのぞいたときと、遠くのものの向きや大きさは、かわったかな?
