生物多様性の保全

基本的な考え方
企業活動は生物多様性と深いつながりがあります。事業に必要な資源の供給を生態系から得る一方で、事業活動における化学物質や温室効果ガスの発生により生態系に負荷を与えています。
生物多様性は社会の基盤であり、企業が事業活動を継続していくためには、その保全がとても重要です。2022年12月にカナダのモントリオールで生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)の第2部が開催され、新国際目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」が採択されました。この枠組みは、自然の回復軌道に乗せるために生物多様性の損失を止め反転させるための緊急行動をとることを「2030年ミッション」とし、新たな23のターゲットにはビジネスに関する目標も盛り込まれています。これらのターゲットの達成に向けて、今後企業には生物多様性に関する取り組みを一層加速させることが求められるようになります。また、2023年9月には自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)*が、「自然関連財務情報開示タスクフォースの提言(TNFD最終提言 v1.0)」を公開しました。
ニコングループはニコン環境方針にて、バリューチェーンにおける生物多様性や生態系に関する依存、インパクト、リスク、機会の把握と開示および事業活動や環境活動、地域貢献活動を通して生態系の保全に努めることを定めています。また生物多様性の保全を、ニコン環境長期ビジョンの柱のひとつである「健康で安全な社会の実現」につながる取り組みとして位置付け、活動を行っています。
近年自然の喪失は気候変動を加速させ、気候変動は自然喪失の原因であるという認識が広まりつつあります。ニコングループはそうした気候変動との関連も認識し、生物多様性の保全に取り組むほか、TNFD最終提言に沿った情報開示をめざしていきます。
- *民間企業や金融機関が、自然資本や生物多様性に関するリスク、機会を評価し、開示するための枠組みを構築するための国際的な組織。
関連する方針
戦略
ニコングループでは、WWFのBiodiversity Risk Filter(BRF)*1を用いた主要拠点を対象とする物理的リスク・評判リスクの評価と、Encore*2による主な事業活動を対象とした自然への依存と影響について評価を実施し、生物多様性に関連するリスクと機会を特定しています。しかし、ニコングループの生物多様性に関するリスク・機会の分析は、現在はまだスクリーニングの域であり、事業の特性を踏まえたより詳細な分析が必要であると認識しています。今後は自社におけるリスクと機会、依存のインパクトの分析をより深化させるとともに、対象を直接操業の範囲外にも拡大し、バリューチェーンにおける自然との関係を適切に評価し、目標の設定や効果的な取り組みにつなげていきたいと考えています。
- *1生態系保全とビジネスの観点から、森や海、河川流域などの自然環境に対する空間的な理解を促進し、投資やビジネスモデルの検討に必要な課題や優先性を判断するツール。WWFが開発。
- *2民間企業の自然への影響や依存度の大きさを把握することを目的に、国際的な金融機関のネットワーク「自然資本金融同盟(Natural Capital Finance Alliance(NCFA))」および「国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)」などが共同で開発したツール。
ピックアップ
FSC 森林認証紙への転換
ニコングループでは「紙調達方針」に基づき、紙の使用量が多く対外的に使用する印刷物から優先的に、FSC森林認証紙*への転換を進めています。国内では、商品カタログやニコンのコーポレート部門が発行する印刷物、社用封筒および名刺などをFSC森林認証紙にしています。
また、環境アクションプランにおいて、事業部門が使用する紙のFSC森林認証紙化の取り組みを推進しています。2025年度は、国内、北米、欧州で新規発行する商品カタログは特殊紙を除き、約96%がFSC森林認証紙となりました。また、一部製品にて包装用化粧箱のFSC認証紙への切り替えが完了しました。
- *FSC森林認証紙(FSC認証紙):適切に管理された森林の木材を使って作られたことが保証されている紙。
自然への理解・関心を高める写真・動画コンテスト
"High Five"
写真 Mark Meth Cohn (UK)
ニコングループでは自然や生命の多様性を社会に広く紹介する写真や動画のコンテストを開催しています。
Nikon Comedy Wildlife Awardsは、世界中から集まった野生動物の写真の中から、ユーモアに富み心温まる作品を称えるコンテストであり、私たちが同じ地球上で共存する多様な野生動物の魅力を広く紹介する取り組みです。本コンテストはユニークでウィットに富んだ野生動物の写真や動画を通じ、自然保護に関する意識喚起や対話を促進するとともに、人々の自然への理解と関心を深める機会を提供しています。ユーモラスな野生動物の表現は楽しさと感動を届け、人と自然のつながりを身近に感じる契機を創出します。
コンテストの収益の一部は野生動物保全活動を支援する団体に寄付されています。ニコングループは、写真家や映像制作者が社会的意義を持った創作活動に取り組めるよう支援することを重視しており、本コンテストとの協働は、優れた表現を称えるとともに、自然保護の重要性を広く発信する機会となっています。
サステナビリティ報告書2026
より詳細はサステナビリティ報告書の「生物多様性の保全」をご覧ください。
サステナビリティ報告書2026 - データ集
「環境」に関するデータをまとめています。
関連情報
地球環境への貢献|企業市民活動

地球環境を次の世代へつなぐことをめざし、子どもたちへの環境啓発活動に取り組んでいます。
各事業所での環境アクション

地域社会の生物多様性保全と自然環境維持に貢献するさまざまな活動に取り組んでいます。