水資源の保護

基本的な考え方

ニコングループの主力製品である光学レンズやその材料となる石英ガラスの生産工程では、大量の水資源を必要とします。例えば、光学レンズの研磨工程では、適切な研磨材濃度を保つため随時水を補給しなければなりません。また、石英ガラス製造においては、排気に含まれる酸成分を排ガス洗浄装置にて除去するときに水が必要となります。

このように、水はニコングループの事業運営に欠かせない資源であるとともに、排水などを通じて地球環境に影響を与えています。したがって、水資源の保全に取り組むことは事業の継続のために不可欠です。

ニコングループは2050年度を見据えたニコン環境長期ビジョンを策定していますが、その3つの柱のうち「資源循環型社会の実現」は水を含む資源に関するビジョンであり、「健康で安全な社会の実現」は水の安全性に関するビジョンに該当します。これらを実現するために、ニコン環境方針の中で、定期的な水リスク評価の実施や取水量などのモニタリングの実施、積極的な水の再利用の推進、法令を上回る自主基準値の設定と遵守を行うことで、水の使用による環境負荷を限りなく低減することに尽力しています。

また取り組みの着実な推進と水準向上のため、従業員に対する環境教育の一環として水に関する取り組みや関連法令などについて研修を行っています。

関連する方針

戦略

ニコングループでは取水量、排水量、再利用量などのモニタリングを行い、取水量削減につながる水有効利用の取り組みを積極的に行っています。2021年度からは、使用した水をもとの水質と同等もしくはそれ以上にして戻すことも重要であると考え、「淡水消費量*」という新たな指標を導入しました。ニコングループでは、淡水消費量を削減していくことが各地域における取水負荷低減につながるとともに、水道水に代表される水に関わるコスト低減にも直結するものと考えています。

また、生産拠点では、水の効率的利用、有効活用を目的に、水の収支とプロセス別使用量を可視化した「水バランスシート」を作成しています。これにより、節水・再利用等の機会を特定し、改善策の実施につなげています。

2025年度のニコングループ全体の淡水消費量は1,678千㎥となり、2018年度比で3%以上削減することとした環境アクションプランの2025年度目標を達成(10.6%削減)しました。

  • *淡水消費量:A~C取水量の合計からD戻り水量を差し引いた値(A+B+C-D)
    A:地方自治体水道設備からの取水(水道水、工業用水など)
    B:地表水からの取水(湖沼、河川)
    C:地下水からの取水
    D:取水源と同等またはそれ以上の品質での戻り水(B,Cにのみ適用)

ピックアップ

生産工程での水再利用施策

Nikon Lao Co., Ltd.の排水処理システム

ニコングループでは、生産工程で発生する排水を適正に処理し、再利用を積極的に推進しています。

フォトマスク基板の製造を行うニコン湘南分室では、研磨工程や洗浄工程で多量の水を使用しています。そこで、従来は排出していた洗浄工程からの排水を、純水製造装置の供給水として再利用する仕組みを導入しています。2025年度には、年間約9,600㎥の排水を再利用し、導入前と比較して取水量を約7.9%削減しました。

また、半導体露光装置を製造するニコン熊谷製作所では、超純水の製造過程で発生する濃縮水を、冷却塔の補給水として再利用しています。2020年には再利用先となる冷却塔を拡大し、2025年度は年間約3.8万㎥の濃縮水を再利用しました。この再利用量は、同製作所の総取水量の約12%に相当します。

Nikon Lao Co., Ltd.(ラオス)では、水供給インフラが十分ではない地域特性を踏まえ、生活排水を浄化処理し、トイレ用水や庭木への散水用として再利用しているほか、浄化処理水を冷却水へ再利用する取り組みも行っています。

サステナビリティ報告書2026

より詳細はサステナビリティ報告書の「水資源の保護」をご覧ください。

サステナビリティ報告書2026 - データ集

「環境」に関するデータをまとめています。