品質と安全の確保

基本的な考え方
広く市場で用いられる製品やサービスが安全であることは、社会の持続的な発展の前提です。また、IoTやAIなどの技術が進展する今日においては、製品およびサービスの安全や環境への対応に加え、製品セキュリティなどを含めた品質確保が必要です。さらにライフスタイルや価値観などにより変化するお客様ニーズへの対応強化も重要となっています。
このような品質に対する社会の要望の高まりに対し、ニコングループでは、製品及びサービスを通して顧客に提供できる価値を高め、社会の健全な発展に貢献することを「品質基本方針」に定めています。また、この方針を実践するため、グループ全体に適用される「品質管理指針(QMD:Quality Management Directive)」を制定しています。
品質基本方針
企業理念である「信頼と創造」のもと、次の品質基本方針を掲げ、製品及びサービスを通して顧客に提供できる価値を高め、社会の健全な発展に貢献する。
- (1)創造的、効率的な「ものづくり」を通し、ブランド価値を高め、高品質で差別化された製品及びサービスをタイムリーに市場へ提供する。
- (2)安全性の確保や環境に配慮した製品及びサービスを提供し、顧客と社会の信頼を得る。
戦略
ニコンは、中期経営計画における2030年のありたい姿として、「人と機械が共創する社会の中心企業」を掲げています。この実現のためには、お客様に信頼される品質の維持・向上、また社会やお客様が求める価値の変化、および技術的なイノベーションやものづくりの変化を見据えた品質マネジメントシステムの整備をグローバルにニコングループ全体で行っていく必要があります。
そのため、各事業部門(グループ会社を含む)では、QMDに基づく品質マニュアル(QM)を作成しています。このQMDは、ISO 9001*の規格要求事項を包含しており、世の中の動きや状況などの変化に対応して、迅速かつ適切な改定を実施しています。ニコングループでは、生産会社を中心にISO 9001認証を取得しており、ニコンおよびグループ生産会社の取得率は約67%(社数比率)です。
また、M&Aによりニコングループとなった海外グループ会社を含めグローバル品質マネジメント体制を整備し、品質リスクの低減を含めたグローバルでのガバナンス強化を進めています。
その活動の一環として2025年度はこれらの海外グループ会社へQMDの一層の浸透を図るためにQMDの大幅な改定を行いました。ニコングループとして海外グループ会社が実施すべき事項をISO9001の要求事項に沿った形で明確化することで、ニコングループ全体の品質マネジメントの質の向上を図っています。
さらに、品質文化を高めるため、品質教育のレベル向上とものづくりにおける行動原則や、技術の進展に応じた製品安全や製品セキュリティを担保する仕組みを整備し、継続的に品質問題を未然防止するための取り組みも進めています。
これらを通じて、品質リスクに対する未然防止体制や、顧客満足を得られる製品を足元から支えられる品質基盤をニコングループ全体に構築していきます。
- *ISO 9001:ISO(国際標準化機構)が制定した品質マネジメントシステムの国際規格。ISO 9000シリーズは組織が品質を維持管理するための仕組みを定めており、ISO 9001は審査登録機関による認証取得が可能。
ピックアップ
製品・サービスの安全確保
ニコングループでは、「安全」を製品・サービスに不可欠な品質と位置づけ、企画から廃棄までライフサイクル全般で安全確保に取り組んでいます。品質基本方針やQMD、各事業部門の規程に「安全性の確保」を明記し、定期的なQMD・CMSアセスメントを通じて運用状況を確認しています。
また、すべての製品で安全評価を義務付け、国際規格に基づく安全設計基本類に従ってリスクを抽出・排除する設計を実施。2025年度は「EMC通則」「無線通信通則」「産業機器安全設計通則」の3件を改定しました。さらに、開発・設計段階でのデザインレビューや量産時の検査、必要に応じた第三者認証取得を通じて安全性を確保しており、2025年度の重大製品事故*は0件でした。
- *安全に関わる重大製品事故:消費生活用製品安全法における「重大製品事故の定義」に基づく。
製品セキュリティ
ニコングループでは、製品の企画から廃棄までライフサイクル全体を通じて製品セキュリティ強化に取り組んでいます。2025年度は、グループ横断の対応組織としてNikon-PSIRT*を設立し、セキュリティに関する脆弱性情報の受付窓口を開設するなど、製品セキュリティ体制を体系的に整備しました。
また、「PSIRT製品セキュリティ規程」や関連実施規程を制定し、各事業ユニットがNikon-PSIRTと連携して製品ごとの対策を推進。脆弱性管理やインシデント対応を迅速かつ透明性の高いプロセスで運用するとともに、教育・人材育成を通じて対応力向上を図っています。
AIについては、2024年8月1日に発効となった欧州AI規則によって定められている禁止AIシステムについて、各事業部門で利用がないことを確認しました。他のカテゴリーのAIシステムについても確認を進めて、安全な製品をお客様に提供していきます。
- *PSIRT:Product Security Incident Response Team
従業員への安全教育
ニコングループでは、製品・サービスの安全確保に向けた従業員への安全教育として、安全設計の基準を定めた安全設計基本類や製造物責任法、電気用品安全法などの各種定期教育を実施しています。
2025年度は、生産本部品質戦略推進部および「技術カレッジ」による教育研修を国内ニコングループの従業員約1,360名が受講しました。研修は対面やオンライン形式だけではなく、従業員が必要なときに随時および繰り返し受講が可能なオンデマンド形式の研修も用意し、安全設計に関する知識の定着を図りました。
サステナビリティ報告書2026
より詳細はサステナビリティ報告書の「品質と安全の確保」をご覧ください。
サステナビリティ報告書2026 - データ集
「社会」に関するデータをまとめています。
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ものづくり | テクノロジー

製品企画から製造まで品質にこだわるニコンのものづくりについてご紹介しています。
